■はじめに
大阪市での幼児教育無償化において,現在は認可外保育園に通う幼児は対象外となっています。
私たちは,認可外保育園に通う幼児も無償化の対象とすることを目指して署名活動をしています。
署名は大阪市外,府外の方でも有効にしていただけます。
保育園問題にご関心がおありの方,本記事をお読みくださり,賛同いただけましたら署名にご協力を何卒よろしくお願いいたします。
陳情(署名)の内容と,署名用紙の入手方法は本記事末尾にあります。
■幼児教育無償化の概要 大阪市では今年(平成28年)4月から,市内の幼稚園及び保育所・保育園に通う5歳児の教育費が無償になりました。 これは,平成27年12月に就任した吉村洋文市長の政策の目玉の一つです。
【大阪市の資料はこちら↓】
この資料にあるように,大阪市の幼児教育無償化は「こどもの教育は,未来への投資」「基礎を培う重要な幼児期に,質の高い教育を行うべき」「すべてのこどもが等しく教育を受けられる環境づくりを進める」という理念の下に始まりました(資料1ページ,7ページより)。
・イギリスやフランスなど海外では,幼児教育の重要性に鑑み,義務教育前の幼児教育を無償化していること
・ペリー就学前計画という調査において,
① 幼児期の教育は生涯にわたる学習の基礎を形成するものである
② 質の高い幼児教育を受けることにより,その後の学力の向上や,将来の所得向上,逮捕歴の低下等につながる
という調査結果が示されていること
を踏まえて始まったものです(資料2ページ,3ページより)。
このように,大阪市における幼児教育無償化は,子育て世帯に対する経済的支援が主目的ではありませんので,所得制限はありません。
市の財政は苦しいですが「未来への投資」として実現しました。
■認可外は除外 私立幼稚園,私立保育園であっても,無償化対象です。 ただし,認可「外」保育園は対象外になりました。 大阪市でも待機児童問題は深刻です。
私も,区役所で保育園への入所について相談したとき,「フルタイム共働きでも,何か加点事由がないと入所は厳しいから,認可外への入園を検討するように」と促されたことは1度ではありません。 我が家のように認可保育園への入園が叶わずに認可外保育園のお世話になり,認可外保育園に入れたから共働きを続けてこられたという家庭は少なくないと思います。 認可保育園が足りていないのに,無償化にあたり認可外は除外というのは,筋が通っていないと思います。
また,認可外保育園の中にはインターナショナルの幼稚園も含まれますが,「望んでインターに通っている場合は無償化対象にしなくてよい」という意見があります。
しかし,インターナショナルスクールにおける教育は,上記の幼児教育無償化の趣旨や目指すところに適っていますので,望んでインターナショナル幼稚園に通う場合でも無償化対象から除外する理由はないと思います。「未来への投資として質の高い幼児教育を」というのであれば,インターナショナル幼稚園に通う子どもたちも対象になるはずです。
もっとも,認可外保育園の高い保育料全額を無償化することを求めているわけではありません。
認可保育園でも,保育料全額が無償となっているわけではなく,幼稚園の費用に相当する部分のみが無償となって,残部は保護者が負担しています(元々,幼稚園よりも保育時間が長い認可保育園の費用は,幼稚園の費用より高いのです。)。
認可外保育園を無償化対象にするにあたっては,認可保育園の幼児が受けているのと同等の額が無償となればと考えています。
■これまでの活動
無償化が始まる前の平成28年3月,認可外保育園も対象にしてほしいという署名活動を行いました。準備期間が短かったものの,予想を大きく超える70名以上の方からの署名をいただき,署名提出について読売新聞朝刊(大阪市内版)で記事にしていただきました。
市議会でも,政党関係なく,複数の市議の方から,なぜ認可外は除外なのかという疑問の声がありました。
しかし,このときは認可外保育園も対象になることは叶いませんでした。
その後,市は,平成29年度以降に認可外を対象とするかどうかを判断するために,市内すべての認可外保育園の保護者にアンケートを配布しました。
アンケートでは,認可外保育園を利用している理由や,認可保育園に申し込んだことがあるかどうか,保育を必要とする理由(認可保育園に入所するための要件)があるかどうかといった質問がありました。
平成28年10月下旬,市長より「平成29年度は5歳児に加えて4歳児も無償化対象とする方針」ということと合わせて,「認可外保育園も対象とすることを検討中」という発表がされました。
市役所に電話して確認したところ,同検討は,上記アンケート結果も踏まれて行われている最中だそうです。
■それでもやっぱり署名活動が必要なわけ
上記発表のとおり,来年度から認可外保育園も無償化対象となる可能性が見えてきました!
しかし,あくまでも「検討中」であり,見通しは不透明です。
また,無償化対象となる施設や家庭が狭い範囲に限定されるかもしれません。
施設を限定することについては,法令に基づき市が行っている認可外保育園に対する監査の結果で重大な問題の指摘があり,改善可能性がないような施設が除外されるのはやむを得ないことのように思われます(その施設に通う子どもたちに転園の現実的な可能性があればよいのですが。)。しかし,現在無償化対象になっている幼稚園や認可保育園について,全ての園で本当に無償化の趣旨に合致した教育が行われているのかどうかを疑問視する声がありつつも,特に教育水準の基準を設けず,一律に無償化対象としていることからすれば,認可外保育園についてのみ特に厳しい要件を課すようなことは均衡を失するのではないかと考えます。
また,認可保育園に申し込んで支給認定(認可保育園に入所する要件を満たしているという認定)を受けた家庭のみ対象とするという限定がなされるかもしれないことを懸念しています。
私もそうでしたが,区役所で認可保育園に入れる見込みがないと言われて認可外保育園を探し始める場合,認可保育園への申込み自体をしない人も珍しくないと思います。
入所申込みの書類をそろえるのはそれなりの労力を伴います。入れないと分かっている保育園のためにわざわざ職場に就労証明書をお願いしたり,入所のための書類を書いたりすることはしませんでした。
また,無償化対象の4歳,5歳というのは,小学校入学を意識する年齢です。元々は認可保育園への転園を希望していた場合でも,子どもが成長して就学までの期間が短くなれば,認可への転園はあきらめて,一斉入所の申込みを見送るということもあると思います。4歳,5歳になって,子どもが園で築いてきた友達関係をリセットして転園するというのは,子どもにとって負担を伴いますので,その点でも保護者は転園をためらいます。
そもそも,上記の無償化の趣旨,目的からすれば,保育の必要性や市乳認定の有無にかかわらずに無償化対象とすべきです。
■署名のお願い
たくさんの声が届けば,来年度からは認可外保育園も無償化対象になる可能性があります!
草の根ですが,活動は広がっています!
【署名用紙の陳情項目と陳情趣旨はこちら↓】
ご賛同いただける方はninkagai_osaka@yahoo.co.jpまでご連絡ください。署名用紙をPDFでお送りするとともに,送付先住所をお伝えします。
なお,署名用紙が紙でご入用の方は,①その旨と②お送りする住所をメールにご記載ください。
☆署名を集める期間は平成28年11月22日(火)までです。
☆大阪市外,府外の方でも有効に署名していただけます。
☆署名した方のご住所ご氏名は公けになりません(情報公開請求の対象にもなりません。)。
☆個人情報は適切に管理し,本件についての大阪市への陳情の目的にのみ利用します。
☆署名用紙のコピーは残さずそのまま提出します。
今後,幼児教育の無償化が他の自治体にも広がるときに,大阪市を前例にして認可外保育園が除外されるようなことにならないよう,他の自治体にお住いの方にも広く関心を持っていただければありがたいです。
・認可外保育園保護者の方
・小規模保育園保護者で卒園後の園に困っている方
・保活で苦労されている方
その他,保育園問題に関心をお持ちに方にぜひぜひこの活動をお知らせください。
よろしくお願いいたします。